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多岐にわたる保健師の仕事

医療の分野では、いわゆる専門的な仕事と、より総合的な知識が必要とされる仕事とに分かれる。前者が、たとえば歯科医師や薬剤師などであり、後者は保健師などであろう。とりわけ保健師の仕事は多岐にわたる。保健師は、一般的な医療従事者と違って、病院や診療所が職場ではないことが多い。各都道府県の保健センターや保健所が職場となり、いわゆる公務員的な働き方が要求される職種だ。仕事内容としては、地域の住民の健康を保持し、促進することが主となる。乳幼児から妊婦、または高齢者まで、受け持つ範囲は非常に幅広く、また取り扱う分野も特定の内容に限定されることなく、生活習慣病や伝染病、エイズ、精神的な病感の相談など、広範囲にわたることがほとんどである。各自治体の役員だけでなく、いわゆる産業系の保健分野で働くこともあり、求人や募集も他の医学系の仕事と比べて豊富だと言える。そういう意味では、おすすめ職種だと言えるだろう。病院の看護師などは、夜勤などの不規則な勤務体系がネックとなりがちだが、保健師の仕事は基本的には残業や休日出勤がない点も魅力だ。ただ、地方や僻地の保健師の場合、家庭訪問で住民宅に出向くこともあり、かつ過疎地の保健師は人数が限られているということもあって、病院以上に忙しくなるということもある。とはいえ、地域住民との交流や深刻化する地方医療に貢献することができる点は、保健師としての大きなやりがいになるところでもある。